自分の知識やスキルをオンライン講座で発信したいものの、オンライン講座の作り方がわからず悩んでいませんか?順序を知らずにオンライン講座を作っても、受講生が集まらずにモチベーションが下がってしまうだけです。
この記事では自分でオンライン講座を作るための8ステップと注意点、オンライン講座の運営を成功させるポイントを解説します。記事を読めば自分の知識やスキルを収益につなげるためのオンライン講座づくりの全体像が理解できます。
オンライン講座は自分で作って運営できる

オンライン講座は、専用のプラットフォームを活用することで、自分の手で作成して運営できます。ただし、オンライン講座を自分で作って運営するために、以下の3点を理解しておく必要があります。
- 自分で作ったオンライン講座でできること
- オンライン講座を作るのに必要なもの
- オンライン講座を作るのにかかる費用
自分で作ったオンライン講座でできること
オンライン講座を自作することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
- 専門知識やスキルを収益化できる
- コンテンツを資産化できる
- 自分のブランド価値を高められる
- 教えることで知識を深化できる
- 受講生とのコミュニティを形成できる
- 場所や時間に縛られない働き方を実現できる
自分のオンライン講座に受講生が増えれば、交流を通じて新たな視点や学びを得られる可能性もあります。オンライン講座は単なる収益手段ではなく、自己成長やキャリア形成の基盤にもなる取り組みです。
オンライン講座を作るのに必要なもの

オンライン講座を自分で作るには、環境を整えるための機材やツールが必要です。教材の質は講座の信頼性や満足度に直結するため、準備段階でしっかり検討しておきましょう。オンライン講座を作る際に準備しておくべきものは以下のとおりです。
- パソコン
- Webカメラ
- マイク
- 動画編集ソフト
- スライド作成・画面録画ソフト
- 配信プラットフォーム
- 決済システム
- 安定したインターネット回線
- 受講生と交流できるツール
オンライン講座の内容や形式に応じて、必要なツールは異なります。オンライン講座を運営する目的と予算に合わせて環境を整えれば、コストを抑えながら質の高い学習体験の提供が可能です。
オンライン講座を作るのにかかる費用
オンライン講座は費用をほとんどかけないケースもあれば、クオリティを重視して数十万円規模の投資を行うケースもあります。オンライン講座を作成する際に必要な費用は以下のとおりです。
- プラットフォーム利用料
- 撮影・録音機材費
- 動画編集ソフト費
- サーバー・ドメイン費
- 広告・マーケティング費
- 決済システム手数料
- 外注費
ブランディングを重視してオンライン講座を作りたい場合は、広告費を多めに見積もりましょう。自分のオンライン講座のスタイルや目的を明確にし、必要な費用項目を整理して予算計画を立ててください。
【8ステップ】オンライン講座の作り方

思いつきでオンライン講座を作ると方向性がぶれたり、受講生のニーズからずれたりするため、計画的な取り組みが重要です。オンライン講座は以下の8つのステップに沿って進めることで、体系的に作れます。
- ステップ1:テーマとターゲットを明確にする
- ステップ2:市場調査とニーズ分析を行う
- ステップ3:講座形式を決める
- ステップ4:プラットフォームを決める
- ステップ5:カリキュラムと学習ゴールを設計する
- ステップ6:教材とコンテンツを制作する
- ステップ7:販売価格と決済システムを設定する
- ステップ8:集客・PRを行う
ステップ1:テーマとターゲットを明確にする
オンライン講座を作るうえでテーマとターゲットを誤ると、講座の内容が曖昧になってしまいます。オンライン講座の軸を固めるために、誰に何をどう伝えるのか明確にしましょう。
自分の得意分野や経験を整理し、提供できる価値を考えると、テーマとターゲットが明確になります。整理した自分のスキルや知識をもとに、オンライン講座の受講生の年齢層やスキルレベル、目的を設定してください。
ターゲットは「SNSマーケティングを学びたい個人事業主」など、具体的に設定するとカリキュラムを的確に構成できます。
ステップ2:市場調査とニーズ分析を行う

オンライン講座を作る前に受講者を増やすための土台として競合を分析してください。競合が提供するオンライン講座を調査することで学ぶべきポイントが見えてきます。他の講座を調査する際は以下の視点でチェックしましょう。
- カリキュラムの構成
- 価格設定
- 受講者のレビューや評価
- 受講者が抱える悩み
SNSや特定のターゲットが集まるコミュニティなどでは、学習者が日常的にどんな問題でつまずいているか確認できます。
ステップ3:講座形式を決める
オンライン講座の形式とプラットフォームは、受講生の学習体験と講師側の運営効率を左右する要素です。講座形式を誤ると、良い内容を作っても学びにくいオンライン講座になってしまいます。オンライン講座には以下のようなスタイルがあり、自分が発信したいコンテンツに合わせて選べます。
- オンデマンド形式:動画をいつでも視聴できる
- ライブ配信形式:講師とリアルタイムで交流できる
- ワークショップ形式:実践課題に取り組みながら学ぶ
デザインのオンライン講座であれば、画面共有を使った作業手順の実演が効果的です。SNS運用スクールであれば受講生の投稿内容をその場で添削するなど、学びの形に合わせましょう。
機材や環境が整っている場合は、オンデマンド動画とライブ配信を組み合わせたハイブリッド型講座も効果的です。複数の形式をうまく組み合わせることで、受講生一人ひとりの学び方に合ったオンライン講座を提供できます。
ステップ4:プラットフォームを決める

プラットフォームを選定する際は、オンライン講座の運営に必要な機能がそろっているかを確認してください。オンライン講座を公開するプラットフォームで人気のサービスは以下のとおりです。
- マーケットプレイス型:集客力が高く、初心者でも始めやすい
- SaaS型:自社ブランドを生かした独自運営ができる
- WordPressプラグイン型:既存サイトと統合でき、自由度が高い
- 自社開発:カスタマイズしやすいが、高い開発コストと技術力が必要になる
自分のスキルや運営体制、集客力を踏まえてプラットフォームを選ぶことがオンライン講座の運営を安定させるコツです。
ステップ5:カリキュラムと学習ゴールを設計する
オンライン講座を修了した受講者が身に付けられるスキルを明確にし、学習のゴールを定義しましょう。ゴールの設計後に必要な知識やスキルを洗い出し、章や節としてオンライン講座のカリキュラムを作成します。カリキュラムによってオンライン講座の構成が明確になり、教材制作時の抜け漏れも防げます。
オンライン講座のカリキュラムの作成時は学習内容の順番も慎重に設計してください。オンライン講座では学ぶ順序を誤ると理解が追いつかず、受講者の離脱につながる恐れがあります。「基本文法→応用→実践」と段階的なオンライン講座にし、受講者が理解しやすいように設計しましょう。
カリキュラムが決まれば、オンライン講座の各レッスンの形式と学習時間を設計します。オンライン講座全体の総学習時間を提示すれば、受講者は学習計画を立てやすくなります。
ステップ6:教材とコンテンツを制作する
受講者が実際に学ぶための教材やコンテンツを制作する工程は、オンライン講座の完成度と学習体験を左右します。オンライン講座で使える教材の制作項目は以下のとおりです。
- 台本・スライド
- 講義動画
- 動画編集
- 演習課題・サンプルコード
- クイズ・テスト
- 補足資料
オンライン講座の教材に映像を使う場合は音声のノイズ除去や映像の明るさ調整など、品質管理も必要です。見づらい映像は集中力を妨げ、オンライン講座の受講者の満足度を下げる要因になります。教材の細部まで丁寧に整えると、質の高いオンライン講座という印象を受講者に与え、受講の継続率や評価向上にもつながります。
ステップ7:販売価格と決済システムを設定する

オンライン講座の価格設定では競合講座の価格帯をリサーチし、自身の講座の価値と比較しましょう。受講者が自分のオンライン講座で得られるスキルや成果を基準に価格を決めてください。
オンライン講座のボリュームやサポート内容に応じて複数の料金プランを設けることで、異なる層のニーズに対応できます。基礎編や応用編など、複数のプランがあるオンライン講座にすることで受講者が自分に合った価格帯を選びやすくなります。
オンライン講座の決済システムは「購入しやすさ」を重視して選定しましょう。クレジットカード決済やPayPal、銀行振込など、オンライン講座を受講する人が安心して支払える方法を用意してください。オンライン講座を公開するプラットフォームによっては決済機能を標準で搭載している場合もあります。
» 経済産業省「キャッシュレス」(外部サイト)
ステップ8:集客・PRを行う
オンライン講座のシステムが完成したら、受講生を集めて講座を広める段階に進みます。ターゲット層に広告を配信し、訴求することで多くの人に自分のオンライン講座を知ってもらうきっかけを作りましょう。オンライン講座の存在を知ってもらうためには、以下のPR方法が効果的です。
集客・PR施策 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
情報発信 | Xやブログで、講座に関連する有益な情報や制作の裏側を発信する | 認知拡大・信頼構築 |
リスト収集 | 紹介ページを先行公開し、興味を持った人のメールアドレスを登録してもらう | 見込み受講者の確保 |
SNS広告 | ターゲット層に合わせて広告を配信し、直接的にアプローチする | 効率的な集客 |
無料体験の提供 | 講座内容を一部体験できるミニ講座やオンライン説明会を開催する | 受講前の不安解消・参加意欲向上 |
オンライン講座の受講後も学びを継続できる環境を整えることで、リピート受講や口コミによる新規参加を促進できます。受講生が主体的に学び続けられる仕組みづくりこそ、長期的なオンライン講座運営の鍵です。
オンライン講座を作る際の注意点

オンライン講座を成功させるためには、制作段階でいくつかのポイントを押さえる必要があります。以下の3点を事前に確認しておくことでトラブルを防ぎ、受講者満足度の高いオンライン講座を運営できます。
- 目的と学習成果を明確にする
- 集客が難しい場合の対策を考える
- 法的リスクを防ぐためのルールを整える
目的と学習成果を明確にする
オンライン講座の目的を明確にすると、受講生が講座で学べることや身に付けられるスキルを理解しやすくなります。制作者にとってもオンライン講座の方向性が決めやすくなり、カリキュラム設計に迷いが生じにくくなります。オンライン講座の学習成果を設定する際は、次の3点を意識してください。
- 行動で示せる目標を設定する
- 成果物を提示する
- キャリアにつながる道筋を示す
学習ゴールはオンライン講座の紹介ページや広告でも強力なアピール要素となり、受講生の信頼を得やすくなります。
集客が難しい場合の対策を考える

質の高いオンライン講座を作っても、受講生を獲得できなければ成果にはつながりません。オンライン講座の集客が思うように進まない場合は、以下の方法を組み合わせましょう。
- SNS・ブログで発信する
- 無料ウェビナー・体験講座を開催する
- 受講者の声・実績を公開する
- 期間限定キャンペーンを実施する
- アフィリエイトプログラムを導入する
- Web広告を配信する
- インフルエンサー・コミュニティと提携する
異なる集客方法を組み合わせることでオンライン講座の露出が増え、認知から受講までの導線を効率的に整えられます。オンライン講座のPR初期段階では、無料体験や口コミの拡散を通じて「まず知ってもらう」ことに注力すると効果的です。
法的リスクを防ぐためのルールを整える
オンライン講座を安全に運営するために、金銭トラブルや著作権侵害、個人情報の漏えいなどを未然に防ぐルールを設けましょう。ルールをしっかりと設けた透明性の高いオンライン講座は受講者からの信頼にもつながります。オンライン講座の運営で整備すべき項目は以下のとおりです。
- 利用規約とプライバシーポリシーを作成する
- 特定商取引法にもとづく表記を掲載する
- 著作権を確認する
- 返金ルールを明確にする
- 誤解を招く表現を避ける
オンライン講座の運営における法律や契約に詳しくない場合は、弁護士などの専門家へ相談しましょう。専門家に相談することで、利用規約や返金ポリシーの内容を法的に適切な形で整備でき、運営者の責任範囲も明確になります。
» 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(外部サイト)
» 消費者庁「特定商取引法」(外部サイト)
» 文化庁「著作権」(外部サイト)
» 消費者庁「特定商取引法ガイド」(外部サイト)
» 消費者庁「景品表示法」(外部サイト)
オンライン講座の運営を成功させるための3つのポイント

オンライン講座を継続的に成長させるには、運営後の改善が欠かせません。オンライン講座の質を高め、満足度を向上させるための以下のポイントを解説します。
- 受講者のフィードバックを分析して改善する
- コミュニティやサポート体制を整える
- データにもとづくPDCAサイクルを回す
受講者のフィードバックを分析して改善する
オンライン講座の受講者から得られる意見や感想には、課題や改善のヒントが数多くあります。フィードバックを収集する際はオンライン講座の節目や修了時にアンケートを実施しましょう。SlackやDiscordなどのコミュニティを活用し、受講者と直接対話することでオンライン講座への意見を得ることも可能です。
オンライン講座への意見は学習内容や教材の質、プラットフォームの使いやすさなどに分類すると改善点を分析しやすくなります。オンライン講座の変更点は既存の受講生に必ず共有しましょう。常に改善を続けている姿勢を見せることで受講生からの信頼が深まり、オンライン講座全体の満足度も向上します。
コミュニティやサポート体制を整える

オンライン講座を長期的に運営するなら、受講生が学びを継続しやすくするためのコミュニティやサポート体制が必要です。オンライン講座の受講生のモチベーションを維持し、満足度を高めるためには以下の取り組みが効果的です。
- コミュニティでの情報交換を促す
- 質問会を開催する
- コードレビューや個別フィードバックを実施する
- 迅速な質問対応を行う
- FAQページを充実させる
- 成果報告会や交流イベントを開催する
サポート体制が整ったオンライン講座は受講生の継続率を高めるだけでなく、口コミによる新規受講者の獲得にもつながります。
» コミュニティ運営を成功させるコツ
データにもとづくPDCAサイクルを回す
PDCAサイクルを回すことで自分のオンライン講座の現状を正確に把握し、効率的に質を高められます。データ分析にもとづくオンライン講座の改善は、以下の手順で進めます。
- Plan(計画):講座の目的や改善方針を明確にし、売上や受講率の目標数値を設定する
- Do(実行):施策を実際に運用し、受講生の流入経路や離脱原因などのデータを収集する
- Check(評価):収集したデータを分析し、目標達成度を評価して課題を特定する
- Action(改善):評価結果から課題の原因を特定して次のサイクルに向けた改善策を立案する
» 厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」(外部サイト)
PDCAサイクルを定期的に繰り返すことで、オンライン講座の改善点を客観的に把握できます。
オンライン講座は自分で作れる!スキルや知識を形にして発信しよう

自分の持つ専門知識やスキルはオンライン講座として多くの人に価値を提供できます。自分で作ったオンライン講座を成功させるためには、学びたい人が求めている内容を的確に提供することが重要です。受講者のフィードバックをもとに改善を重ね、オンライン講座の品質を高めていきましょう。
まずは小さなテーマから始めて、1本の動画や短いオンライン講座を作ってみてください。実際に形にすることで自分の強みが明確になり、受講者の反応から次の改善点も見えてきます。







