YURI /ゆり
文字組の「考察」を学んで、自分でもやってみた話
2026年04月18日
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要約を生成中...

今回、NOT DESIGN SCHOOLで文字組みを「なんとなく」で行っているデザイナーの方々に向けて開催されました。
奥が深い文字組みについて、NOT DESIGN SCHOOLのWebメンターの山津さんに、実践しながら解説してもらえました。
こんな悩みや課題を持っているWebデザイナーのためのウェビナーでした。
文字組みを「なんとなく」で行っていて、判断基準を持ちたいWebデザイナー
カーニングや字間をどこまで詰めるべきか迷ってしまう方
Webデザインはできるが、バナーやLPの文字組みに苦手意識がある方
グラフィックデザイナーの文字組みとの差を感じ、その感覚を知りたい方
デザイン経験1〜3年で、文字組みの感覚を鍛えたい方
文字を「塊」「重み」「形」として捉える。
この感覚を、30年の実務経験を持つ山津さんが実際に文字を組む様子を見ながら体験できました。
バナーやLPのファーストビューなど、文字組みが求められる場面で「意識的に」調整できるようになるための第一歩のウェビナーでした。
文字組みの第一歩としての9つの基礎ポイントを紹介してくれました。
考察
混植 ver.01
混植 ver.02
混植+文字組 ver.01
混植+文字組 ver.02
文字詰め
約物
カタチ
錯視
今回の投稿は、「1:考察」についての学習記録です。
デモンストレーションに入る前に、山津さんの自己紹介と、このウェビナーの想い、コンテンツ、開催の背景から始まりました。
目に飛び込んでくる資料の美しさに痺れました。



文字組みはもちろんのこと、選定された写真や、その写真のメッセージがテキストと呼応していること、レイアウト、色味の統一感。
伝わる、感じる資料。
こうやって人は引き込まれるのだと、プロの資料を体験しました。
山津さんの想い。
伝える内容は正解でもないし、
絶対的な教科書とは思わないでほしい。
伝えることをもとにしながら、
これから出会う、それぞれの疑問や
課題に対して臨機応変に、柔軟に
解決できる、デザイナーになってほしい。
まず、改行部分に注目。美しい。
そして、言葉が、誠実で優しい。
この言葉を胸に、まずは山津さんが最初に話してくれた、文字組みが複雑に感じる要因から振り返ります。
日本語は表意語(漢字)と表音語(ひらがな、カタカナ)が混在する。
時にはアルファベットを入れて成り立つ珍しい言語。
漢字は、一つひとつの文字が意味を表し、画数が多く密度が高くなり、視覚的に重い。
一方、ひらがな・カタカナは音を表し、画数が少なく視覚的に軽い。
これらが混在することで、文字の「重さ」「密度」の統一感がないため、バランスを取るのがそもそも難しい。
文字組みも、他のデザイン制作と同じく、事前準備が必要。
しかし、文字要素の理解・分析をせず、いきなり見た目やデザインから考え始めてしまうことが多い。
「どうやってインパクトをつけよう」「目立たせるにはどうしよう」が先行し、
文字そのものの分析が抜け落ちている。
この状態で文字を組もうとすることで、複雑になってしまう。
"文字組も全てのデザインプロセスと同様で、すぐデザインしない。"
"すなわち、すぐに書体選びをしない。"
もう「Yes, sir」としか言えない(笑)
肝に銘じることは、始める前にまず、考える。
軸を持ち、書体の方向性を決める。
これって、デザインに限らず、すべてに言えること。
地図がないのが、迷子の原因。
では、その地図をどう作るのか。
山津さんが実演してくれた、タイトルが共有されたところから文字組みを完成させるまでの5つの流れがこちら。
コピーを見ながら、考える
考察
書体の軸の言語化
書体をばらす
書体の選定
文字組
そして今回の参考コピーがこちら。
「Webデザイナーのための文字組 vol.2 〜タイトル編〜」
「グラフィックデザイナーの視点で文字組を体験する」
※イラスト、写真、その他の要素はないものとして制作した場合です。

参考コピーを前に、山津さんがまず考えた項目がこちら。(画面のスクショです)

「絶対的な教科書とは思わないでほしい。」という山津さんの言葉を思い出しながらも、
まずこれを絶対、やろうと思う(笑)私の基本、守破離。
ターゲット → Webデザイナー
ターゲットの心理 → 難しい、苦手意識
文字組みに対して苦手意識と難しいという感覚がある。しかしWebデザインでは文字組みの機会が少ないので、知識や習得に対して必須性、必要性は低い。ただ、グラフィックデザイナーの制作物を見ると差を感じ、劣等感を抱いている。何とかしたいなと思いつつも、業務に支障がないので行動は今のところなし。
クライアントの要望 → 敷居は高くしたくない
文字組みはデザインの基本であると思っている一方、簡単に習得できるものではないと認識。だからと言って敷居を高くしたいわけではない。文字組みに取り組む知識や情報だけではなく、追体験できるようなウェビナーにしたいという想いがある。
書体の方向性:
固く真面目な印象の明朝体よりも、主にゴシック体で構成。見た目も重要と捉える考え方。
理由:業務に支障がないので行動しない。しかし、自分のセンスにないような制作物を見ると焦る心理に刺さる、普段見慣れない書体を起用し目が引っかかるのではないか。
タイトルの英数字に、見慣れない書体を使って、それ以外の和文はゴシック体。
サブタイトルは、明朝体にし、メリハリの出る文字組みをしていく。
この軸があるか、ないかで、何を探しているのかが決まっているので、迷い方が違う。
「どれがいいかな」ではなく、「これだと、どうだろう」という検証的な検索ができると絞られていく。

ここで、イラレ初心者驚きのプロ作業発見。
「テキストばらし」スクリプト。
プロの技術や技、ショートカットをいかに知って、覚えるかの世界だったりする。
なのに、早すぎて全然何してるのか分からないことが多い中、アーカイブって本当にありがたい。
早速、最近仲良しのClaude Codeでスクリプトを作り、自分のイラレにも導入できました。
英数字には、Template Gothic OT
ゴシック体には、リュウミンMB101
明朝体には、A P-OTF リュウミンPr6N
ここでまたプロの引き出しの多さを目の当たりにする。
探しているようで、もうすでに持っている。
引き出しを探しに行っているプロと、引き出しを作っている初心者との大きな違い。
こればっかりは、焦らず、一回一回の制作物で、その引き出しを作っていくしかない。
ここでの文字組みのポイントは、このウェビナーのタイトル通り、カタチ。
「全体的な空間、余白感の形」
「仕上がった時の全体的な形」 の意識が大切。
拡大して細部を見て、退いて遠目で見て、の繰り返し。
そして出来上がった山津さんの文字組み。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

圧巻です。
この一連の流れを見て、山津さん式「考察」で、同じ参考コピーの文字組みに挑戦してみました。
ターゲットである、Webデザイナーの視点を優先にして考えてみる。
文字組みに対して苦手意識がある人が最初に目にするものだからこそ、「正しさ」ではなく「楽しさ」を軸にした。
きっかけは、楽しく、身近であるほど人は試す。試さなせれば、始まらない。
だからゴシック体で統一した。威厳や、圧力のない書体の延長線上にあるものなら、心理的な壁がない。
その上で、百千鳥やCatamaran Outlineといった「見慣れないけど、いつもとちょっと違う」書体を使うことで、「なんか気になる」「楽しそう」という感覚を先に届ける。
学ぶこと、知ることへの興味が、上達の第一歩。
だからこのタイトルは、文字組みを教える前に、文字組みって面白そうだなと興味を持ってもらうことを最優先にしている。すべてはそこから始まる。
英数文字:Catamaran / Outline & Regular
和文ゴシック体:ヒラギノ角ゴ Pro
百千鳥 / Condense Medium
書体の選定軸:ゴシック体の中にある奥行きを見せる
Catamaranはサンセリフ体(欧文のゴシック体)で、OutlineとRegularを同一ファミリー内で使い分けている。百千鳥はゴシック体でありながら、かなに手描きストロークの動きを残し、バリアブルで太さや幅を自在に変える。
どちらも「ゴシック体」という普段使い慣れた枠の中にいながら、こんなに表情が変わるのかという発見を与える書体。
明朝体を外した理由:
明朝体は「正解を知っている側の書体」になりやすく、ターゲットの苦手意識を刺激する。ゴシック体で統一し「普段の延長線上にある」安心感を保ちながら、書体の個性でゴシックの楽しさと深さを感じさせる。敷居を上げずに関心を引く設計。これが、今の私のレベルの文字組です💦

今回のウェビナーのテーマは、文字を「形」として捉えること。 でも自分にとって、日本語の文字を純粋に形として見ることには、もうひとつ別の難しさがあると感じています。
日本語から離れ、英語で生活する中で、日本語を「外側から」見る経験をしてきました。 英語には必ず主語があって、自分を起点に話が進む。日本語は主語を省いたり、敬語で距離感を調整したり、構造そのものが違う。 その違いを理解していく過程で、日本語という言語を文化的な視点で捉えることが多くなりました。
その影響なのか、漢字を見ると「形」より先に、日本文化の持つ真面目さや丁寧さという印象が浮かんでくる。 漢字 → 真面目 → 明朝体、という連想が無意識にできていて、 ゴシック体のフレンドリーさとはすぐに結びつかなかった。 一方で、ひらがなの丸みやカタカナには、どこか親しみやすさを感じていて、そちらの方がゴシック体の感覚に近い。
「形で捉える」という行為の手前に、文化的なフィルターが一枚入っている感覚。 これは日本語の複雑さとも、準備不足とも違う、自分だけの視点に、今回気がつくことができました。
以前、NOTでプレゼンテーションの練習会があったとき、
私が実案件のプレゼン練習をしていて、オーディエンスの中に山津さんがいました。
進行役の方が「フィードバックどうぞ」と振ってくれて、感想を伝えてくれたのですが、
緊張していたし自信もなかった中で、まず良いところを見つけて言ってくれました。
自分では気づいていなかったところで、それが素直にうれしかったんです。
そのとき感じたのは、うれしさと同時に、安心でした。
自分ではうまくできないと感じていても、私の「これは良い」を見つけてくれる人がいた。
その体験があったから、山津さんがウェビナーをやると聞いたとき、迷わず見たいと思いました。
自分の文字組みにおける考察で「正しさではなく楽しさを軸にした」と書いたけれど、
なぜそう考えたのか、今ならわかる気がします。
同じ知識を渡されても、人によって向き合い方が違う。
その違いを生むのは、知識の質ではなくて、「知りたい」「学びたい」と思えているかどうか。
先に書いた「学ぶこと、知ることへの興味が上達の第一歩」は、まさにこの体験から出てきた言葉でした。
人から良いところを見つけてもらえたとき、安心が生まれて、その人の言葉に自然と耳を傾けたくなる。
その安心が、文字組みへの興味の入り口になっていた。
だから私の考察でも、敷居を上げずに、まず安心できる入り口を作ることを大事にしたかった。
あの経験があったからこそ、今こうして学んでいるのだと思うと、とても感謝しています。
今回は9つの基礎ポイントのうち「1:考察」のアウトプットでした。
残りのポイントも、引き続きアウトプットしていこうと思います。
要約
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