さくらおかひろのり
個人開発SaaSをリリースして半年、売上は1,960円です
2026年07月31日
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要約を生成中...
去年から個人開発でSaaSを作っていまして、先日ようやく初めての売上が立ちました!
リリースからおよそ半年。
売上は1,960円。
サーバー代でほぼ消えるので、収支はまだ赤字です。
……この数字を見て「うわ、失敗じゃん」と思った人。正解です。今日はその失敗の中身を正直に書きます。
ただ、半年分の「これは作る前に知りたかったな」が結構貯まったので、いま何かを作っている人・作ろうとしている人には役に立つはずです。
L-Proxyという、LINE公式アカウントのWebhookを複数の送信先に同時転送するSaaSです。月980円から、14日間の無料トライアル付き。サービスの中身の説明はここでは省くので、気になる方はこちらをどうぞ。
ひとつだけ言っておくと、Googleログインもクレカ決済も、利用規約もプライバシーポリシーも特商法ページも揃えた、いわゆる「ちゃんとしたSaaS」の形をしています。趣味のツールをネットに置いてみた、ではなくて、商売をする気で作りました。
そして、これを個人で作り切れたのは完全にAIのおかげです。Claude CodeやCodexに実装を任せられるようになって、SaaSを丸ごと一人で組み切るハードルは、体感でこの1〜2年で桁違いに下がりました。
しかもこれ、僕がエンジニアだから言える話でもなくなってきています。アイデアさえあれば、エンジニアじゃなくても自分のサービスを作って「お金を稼ぐスタートライン」に立てる時代が、もう来ているのかもしれません。
作っている間は、正直めちゃくちゃ楽しかったです。
……そう、「作る」のは簡単になったんです。そしてここからが本題なんですが、売ることは1ミリも簡単になっていませんでした。
リリースして何が起きたか。
何も起きませんでした。
当たり前です。誰にも知らせてないんだから。
この半年、僕がマーケティングと呼べる活動をどれだけやったかというと、
エンジニアあるあるだと思うんですが、「作る」のはやることが目の前に見えているんですよね。コードを書けばプロダクトは確実に前に進むし、進んだことが自分にも分かる。
一方でマーケティングは、何をどれだけやればいいのか分からないし、やっても成果がすぐには見えない。だから「先にもうちょっと機能を磨こう」と、開発に逃げる。
僕の場合、その「もうちょっと」が半年続きました。
サービスって、腕は確かなのに営業を一切しない無口な職人みたいなもので、こっちが黙っていると誰にも見つけてもらえないんですよ。「良いものを作れば勝手に広まる」は、少なくとも無名の個人開発者のニッチなSaaSでは起きませんでした。
そんな放置状態でも、6月のある日、Stripeから決済完了の通知が届きました。

知り合いではない、どこかの誰かが、無料トライアルを試して、そのまま有料で使い続けてくれている。
正直、売り上げた金額の何十倍も嬉しかったです。
僕は普段、受託開発や業務委託でお金をもらっています。あれは「エンジニアとしての自分のスキル」に対して発生するお金です。ありがたいし、誇りもあります。
でも、L-Proxyの980円は違いました。これは僕のスキルにではなく、「スキルから生み出されたサービスの価値」に対して払われたお金です。
僕がその人のために手を動かしたわけじゃない。僕が寝ている間もサービスが勝手に働いて、その働きに、会ったこともない誰かが自分の意思でお金を払ってくれている。同じ「エンジニアの売上」でも、自分の中では意味が全く違いました。
似た高揚感を、一度だけ味わったことがあります。2020年、フリーランスになりたての頃です。
それまでの僕は、サラリーマンだったりフリーターだったりで、「言われたことをやって、お給料をもらう」以外の稼ぎ方をしたことがありませんでした。エンジニアとして独立してからも、業務委託って結局はエージェントが案件を取ってきて、僕はその企業で働くという流れなので、「自分で仕事を取って稼いだ」という感覚は正直薄いんですよね。
そんなとき、僕がエンジニアをやっていると聞いた知り合いから、HP制作の依頼が来ました。発注金額は約5,000円(正直安すぎる)
誰かにあてがわれた仕事じゃなく、自分の力で取って、自分の力で稼いだ初めてのお金。金額じゃなくて、その事実のほうが熱かった。
今回の1,960円には、あのときと同じ種類の熱がありました。2020年のHP制作が「自分のスキルでお金を稼ぐ」の0→1だったとしたら、今回は「自分のサービスでお金を稼ぐ」の0→1。マーケをサボった失敗は失敗として反省するとして、この突破は正直かなり自信になっています。
とはいえ、浮かれずに現実の収支を並べるとこうです。

はい、赤字です。
しかもこの売上、僕がマーケを頑張った成果ですらありません。半年間ほったらかしでこれなので、「何もしなくても2件来た」と読むか、「何もしなかったから2件しか来なかった」と読むか。僕は後者だと思っています。ニーズはあるのに、届ける努力をしていない。それが今のL-Proxyです。
学びを3つだけ。
1. リリースはゴールじゃなくて、スタート地点だった
作り終えた時点で、頭の中では8割終わった気になっていました。実際は折り返し地点ですらなかった。プロダクトが完成した日と、それが誰かに届く日の間には、想像していたよりずっと長い距離があります。
2. マーケティングは「開発の後の工程」じゃない
作りながら発信していれば、リリースした日に少なくとも数人には知られていたはずです。開発の過程そのものがコンテンツになるのに、全部後回しにしてしまった。この記事は、その反省からの実践第1号です。
3. 「完璧にしてから出す」は、逃げの言い訳になる
機能を磨いている間は、マーケの不安と向き合わなくて済みます。僕の「もうちょっと磨こう」は、改善の顔をした先延ばしでした。
というわけで、次の半年はマーケティングをやります。
お金を払ってでも使いたいと思ってくれるユーザーがいることは分かったので、同じようなニーズを持つ人にL-Proxyの存在が認知されるよう、SNS等での宣伝や引きの強い機能追加に力を入れていきます。
具体的には、AI経由でサービスが見つかって(LLMO)、AIに設定まで任せられる仕組み(MCP対応)を進めています。LLMOはともかく、MCPは意外と簡単だったので、近いうちに別の記事で書きます。
1,960円は、客観的には失敗の数字だと思います。でも、ゼロと1,960円の間には、決済をつないで、規約を書いて、法律を調べて、知らない誰かに使ってもらえるところまで持っていく全部が詰まっています。そこまで来ているなら、足りないのはたぶん実力じゃなくて、知ってもらう努力の量です。少なくとも僕はそうでした。
なので、届ける努力をちゃんとやったら数字がどう変わるのか(変わらないのか)は、ここで続報を書いていきます。うまくいってもいかなくても書きます。
L-Proxyはこちら。LINE公式アカウントのWebhookで困っている方は、14日間無料で試せます。
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