みかまよ
課題1−2デザイン史から自分の”好き”を探る
2026年07月18日
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インダストリアルデザイン/柳宗理
東京美術学校にて、日本人で初めてバウハウス留学した水谷武彦氏の講義に感化され、第二次世界大戦後に精力的なデザイン活動を行なっていった背景を学びました。
最終的にここに戻ってくるまでに、かなり紆余曲折がありました。一度は柳宗理から離れ、資生堂のパウダーケースやクリストフルのエビヅル(葡萄蔓)模様のような、装飾的で曲線的なスタイルにも強く惹かれ、そちらを選び直そうとした時期もありました。しかし、その過程で見つけた「なぜ惹かれるのか」を改めて柳宗理の作品に当てはめてみたとき、実は最初から自分が惹かれていたのは柳宗理だったのだと、より深く納得することができました。

柳宗理 鉄フライパン

柳宗理 バタフライスツール

自動ドア用「赤い手」のピクトグラム
柳宗理の鉄フライパンを初めて購入するとき、一般的な丸い形ではないことに驚きましたが、実際に使ってみると、ぴったり合う蓋や持ちやすい持ち手など、細かな部分まで使いやすさが考えられており、現在も愛用しています。バタフライスツールのフォルムにも、直線ではない緩やかな曲線があり、見ているだけで安心感を覚えます。
寄り道をして資生堂のパウダーケースやクリストフルのエビヅル模様を調べたことで、自分が本当に惹かれているものの正体が、より具体的な言葉になりました。それは、無駄を削ぎ落としたシンプルなフォルムの中にある、緩やかな曲線、そして派手さのない上品な色と素材感、さらに機能のための部分にひそむ小さな愛らしさ(フライパンの持ち手の丸み、蓋のぴったりとした収まりなど)です。柳宗理の作品は、装飾こそありませんが、この3つの要素をすべて備えていることに、寄り道をしたからこそ気づくことができました。
デザイン史を学び始めたときは、歴史が苦手なこともあり不安でしたが、約160年にわたるデザイン史を学ぶ中で、産業革命や第一次・第二次世界大戦後など、社会が大きく変化する時代ごとにデザインも発展してきたことを知り、興味深く感じました。学ぶ中で、自分の「好き」にも理由があることに気づき始めました。
最初に柳宗理をリサーチし、「気になるスタイル」をモダンデザインだと結論づけました。しかしその結論をもとにFigmaで作品を作ってみると、何の味もない、感情が湧かないデザインになってしまいました。メンターから「それがどんな色や形として現れたら、見た人にも好きが伝わるのか」というフィードバックと「楽しんでやってみよう!」というエールをもらい、自分は「柳宗理が好き」という事実を、頭で「モダンデザイン」という言葉に変換しただけで、実際の色や形のレベルまで感覚を確かめていなかったのだと気づきました。
そこで一度「柳宗理」という枠組みも外し、深掘り作業を始めました。すると、頭から離れなかった資生堂のパウダーケースやクリストフルのエビヅル模様に自然と立ち返り、色・形・ディテールを一つずつ言葉にしていきました。一旦迷子になり思考停止、、、
再び作業を開始すると、緩やかな曲線、上品な色、機能の中にひそむ小さな愛らしさ——少しずつ、言葉になっていきました。そうしてやっとやーっと具体的な言葉にできたところで、改めて柳宗理の作品を見直してみると、鉄フライパンの持ち手の曲線にも、バタフライスツールのフォルムにも、同じ要素がすべて含まれていることに気づきました。
遠回りをしたことで、「柳宗理が好き」という最初の直感が、実は具体的にどんな色・形・ディテールに支えられていたのかを、初めて自分の言葉で説明できるようになりました。また、最初は漠然と「モダンデザイン」という言葉で捉えていましたが、柳宗理自身の肩書きがインダストリアルデザイナーであることを踏まえ、最終的には「インダストリアルデザイン」という、より的確な言葉にたどり着きました。スタイルやデザイナーの名前にたどり着くことがゴールなのではなく、その先にある具体的な色や曲線まで掘り下げて初めて、自分の好きを他者にも伝えられる形にできるのだと学びました。
柳工業デザイン研究会 公式サイト(yanagi-design.or.jp)
サト商事 公式サイト(選んだ理由・作品参考)
モノ・モノ(作品解説参考)
資生堂 企業資料館「収蔵品のご紹介」(寄り道の中で調べたデザイン背景の参考)
要約